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あなたへ生まれ変われる今日を

 

作詩:堂本剛(歌詩
作曲:堂本剛


堂本剛 – Sound Produce, Arrangement
十川ともじ – Arrangement, Programming, All Keyboards
Duttch - Drums
鈴木渉 - Bass
竹内朋康 - Guitar
SASUKE - Trombone
Luis Valle - Trumpet
かわ島崇文 – Sax
TIGER
稲泉りん

Mixed by 福田聡
Mastered by Ted Jensen (Sterling Sound, Nashville)

 

デジタル配信中

アルバム「LOVE FADERSOriginal Edition ENDRECHERI  2020.06.17

堂本剛とFashion & Music Book 2021.05.22 (つよしんぐわーるど)

"自分自身"を生きていると思ってたけど、意外と「あれ?コレ自分じゃないな」って思った人も多いと思うんです。なんか、"作られた自分"っていうか。あれ?なんかこれ私じゃないな・僕じゃないな、って。周りがこういう風に期待してくれたり、周りはこういう風に言ってくれてるから、そういう"自分"になってただけで、本来の"自分"って、もっと、こういう風にして生きていきたい、っていうことに気付いた人もいると思うんです。それに気付けた人は、どうぞ、自分へ、あなたへ、生まれ変わってください、っていうふうに思って作った曲です。

🔶音楽と人 2020年7月号 (三宅正一氏)

オリジナル・エディションのみに収録されているラストナンバー「あなたへ生まれ変われる今日を」という楽曲に強く胸を打たれる。この楽曲は明らかに、構造的にも歌詩の内容からしても、ENDLICHERI☆ENDLICHERI名義でリリースしたファースト・アルバム「Coward」の同じくラストナンバー、そして当時のライヴを締めくくる象徴的な存在であったソウル・バラード「これだけの日を跨いで来たのだから」のアンサーソングだ。

🔶Real Sound 2020.10.17 (宮本英夫氏)

「あなたへ生まれ変われる今日を」は、どこかにスティーリー・ダンの香りを感じるハイセンスな曲調の中でしっとり歌う、こんな穏やかな一面もあるのだと納得する。どちらかといえばサウンド志向と言えるENDRECHERIだが、やはり歌が中心にあることは間違いない。

🔶REVIEW by s.h.i.さん

FLYING LOTUS「Land Of Honey」あたりも連想させるプログレッシヴ&エピックなスロウ(それとカーティス・メイフィールドとの間にある感じか)。過去作「Coward」収録「これだけの日を跨いで来たのだから」のアンサーソング?どことなくももクロ「桃色空」を連想させるフィールも。

こういうテーマをここまで「距離を置きつつ寄り添う」優しく俯瞰した感じでベタつかずに雅に歌うのは難しい。堂本剛の資質とそれがファンク的な構造/演奏感覚のもとで長年磨かれたからこそ可能になる(潤いはあるが良い意味で“解決”しきらない感情コントロール力に支えられた)表現力。

🔶Mikiki 2020.07.09 (天野龍太郎氏) 

アルバムのエンディングを飾る“Oh...”“あなたへ生まれ変われる今日を”は、ファンクから離れたサウンドだ。中心に据えられているのは、堂本の歌と粘度の高い歌謡曲的なメロディー。2曲ともピアノの響きが印象的で、特に60年代のアメリカン・ポップ/リズム・アンド・ブルース調のオーセンティックなアレンジで聴かせる“あなたへ生まれ変われる今日を”は、なんとも感動的だ(本作はほぼ全曲が堂本とGakushiによる編曲だが、この2曲は堂本と十川ともじによるアレンジ)。

“あなたへ生まれ変われる今日を”の歌詞は、なんだか示唆的である。もちろん、何を歌ったものなのかは堂本のみぞ知るところ。しかし、〈あなたを傷つけてばかり〉の〈馬鹿〉で〈弱い僕ら〉とは人類で、〈僕〉が憧れる神々しい〈あなた〉とは母なる地球、あるいはそれを抱擁する宇宙であるかのように思える。

ところで、最近読んだ劉慈欣のSF小説「三体II 黒暗森林」では、地球の出来事なんて宇宙規模で見ればほんの些細なことだ、ということが繰り返し語られていた。しかし人類は、些末なことにこだわって宇宙規模の危機に対処できない。結末は人類の〈愛〉に深く関わっているものの、読んでいる間は〈木を見て森を見ず〉な人類の愚かしさばかりが気になった。もとは2008年に書かれた本であるのに、まるで2020年の世界/社会を描いているかのように思えた。

“あなたへ生まれ変われる今日を”で締め括られ、宇宙規模の愛を歌うENDRECHERIの『LOVE FADERS』も、「三体」と似たことをテーマにしているように思えてならない。いまこの世界にあるさまざまな問題は、宇宙規模で見れば大したことのないもの。それなのに、どうして争いや差別はなくならないのだろうか。それらを乗り越えるために、いまこそ宇宙規模の想像力でもって愛のフェーダーを上げよう――ENDRECHERIは、『LOVE FADERS』でそんなことを歌っているかのようだ。

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