◆シークレットゲスト
ライブ・DJ・映像・アートなどのクリエーターが集結し、開催されたクラブイベント。ライブではBank Bandがホスト役としてアーティストを迎え入れる形式で進行。
シークレットゲストとして登場した剛さん(ENDLICHERI☆ENDLCIHERI)は、小林武史さんのピアノ演奏だけで「ソメイヨシノ」を披露。『大きな生命体の一生を観ているかのようなライブ』と評されました。
◆セットリスト
ソメイヨシノ
(ピアノ:小林武史)
◆LIVE REPORT
(AP BANG! 東京環境会議HPより)
直前に入り、ほぼそのままの足でステージへ向かった第2のシークレット・ヴォーカリスト、それはENDLICHERI☆ENDLICHERIだった。どうしてそんなことになったのかの説明は、まずあ彼自身のMCにお願いしよう。
「今、ずっとファンクなライヴをやっていて、今日もライヴを終えて、それからここに駆けつけることになりました。最初にお誘いを受けた時はスケジュールが(厳しくて)という対応を事務所がしようとしたので、『ちょっと待て』と。『無理すりゃ間に合うだろう』と話して、実現することができました。今回、何故お誘いを受けたんだろう、何故自分は東京環境会議に出るんだろう、と考えたことがあったんですが、そこで出た答えはシンプルで、『自分と小林さんの宇宙がぶつかり合うことを面白がる自分がいて、そこに縁を感じる自分がいた』ということなんです。今日のことは、今でも愛による縁がつなげてくれたと思ってます。」
そうなのだ、タイムスケジュールの遅れを覚悟の上で東京環境会議はENDLICHERI☆ENDLICHERIを招き入れ、そして実際に「予定通り」彼は遅れて入り、このステージとなったのだった。(管理人注:3月18日当日はお台場で「Neo Africa Rainbow Ax」ライブでした)
このセッションのみ、Bank Band Trinityのメンバーは小林を除いて一度引き下がり、ステージの上は背面いっぱいに映し出されたヴィジュアルと小林とENDLICHERI☆ENDLICHERIだけになった。10本の指によるピアノと、ひとつの喉から振り絞られる声のみのライヴとなり、その緊張感と生々しさ故に、フロアからは唾を飲み込むことすらためらう空気が、7分弱もの間、ずっと流れていた。そして、歌を引き立たせる小林のピアノという雲の上で、一度も目を開かずに、春の歌を心の声を紡ぎ出すように歌う、ENDLICHERI☆ENDLICHERIがいた。空気は止まっていたが、景色は心の中でずっと動いているような、大きな生命体の一生を観ているかのようなライヴだった。
「とにかく楽しかったです。自分にとってはまったく未知の世界だったから。小林さんのやられている聖地に入って、自分の霊を放つのみなんだけどれども…。一体僕はどういう使命があってやるのかとか、色々考えたんです。でも、シンプルに、ここで出会った縁とのぶつかり合いを楽しもうと、それだけで行こうかなぁということで、やりました。だから、リハーサルもほとんどやらなかったんですよ。今朝も1回だけリハーサルをやって、小林さんにドキドキしたけど、そのドキドキが音楽の中にあるっていうことは贅沢なことだし、とても必要なことだよなぁと思いながらステージに立ちました。」
●自分の声とピアノの音だけでやるということは、すごく緊張感がありますよね。
「なんか生きている感じがするっていうか。自分は生きているし、語りかけられているような気もするし。自分の宇宙がどんどん広がっていって、小林さんの宇宙と一体になれたような。そしてオーディエンスのみなさんの宇宙と一体になれたような気がして、すごく贅沢な何分間かを過ごさせてもらったなぁと、そんなふうに思いました。」
●環境って、自分にとって何ですか?
「僕の歌には水をテーマにしたものが多くあるんですが、人間はほとんど水でできているのに、乾いた心で人を愛するのはどうなんだろう?と。もっと潤った気持ちで人を愛したり、愛されたりするということを重要視したいなぁという気持ちはあります。捨てる/捨てないとか、使う/使わないとか、細かいことはやったりもしますけど…とにかく僕ができるハニのことはやろうと思って生きています。歌を歌うっていうことは電気を使ったりしなければならなくて、矛盾はあるんですが、でも先駆者というか、誰かが何かをやらなければいけないという使命がもしあるとするならば、僕は今そこにあてがっていただいているんだろうなぁという気がします。だから、今言ったような思いだったりエネルギーを持って♩に変えて放つということが、誰かのきっかけになって、1ミリでも世界が動いていくようになればいいなぁとただただ思っています。僕はきっかけでしかないから…」
●でも、何かを放つことは重要だよね。
「うん、重要だと思います。ここはそういうことを率先してやっている場だと思うし。そこに声をかけていただいので、足を運んでみました。」