7月7日より販売がスタートしたZOZOプロデュースアイテム。今回は、その中の1アイテム「和紙T」に関連のある場所を訪れる。アイテムに込めた想いや音楽と洋服のあり方...猛暑でのロケにも関わらず、自然の中でさらに熱いトークを繰り広げる!
つよしP公式ツイッター
配信開始
堂本剛と見届けたい、"地球に還せる"ZOZOコラボTシャツの行方...「ものづくり愛」がひしひし伝わる『つよしP』#17
堂本剛のオリジナル番組『つよしP』第17回が7月16日に配信される。ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOとのコラボレーションによって誕生した「和紙Tシャツ」を"土に還す"、堂本のサスティナブルな活動を見届けよう。
企画のひとつであるZOZOとのコラボレーションアイテムが、現在『つよしP』公式サイトで予約受付中。その中のひとつ「和紙Tシャツ」は、土に埋めると菌によって分解されるサスティナブルなアイテムだ。『つよしP』第17回では、堂本がとある山奥にある「和紙Tシャツを地球に還す畑」にやってきた。SDGsやサスティナブルに気軽に貢献できるということで、堂本は興味津々だ。畑の土や、分解途中のボロボロのTシャツに触れたほか、実際に和紙Tシャツも埋めてみた。「和紙の循環」で育った野菜を食べる一幕もあり、堂本は「おいしい!」と目を輝かせていた。
また、サスティナブルな活動中に、堂本がものづくりに対する愛や、クリエイターとしての考えを語った真剣な姿も見逃せない。ファッション業界と音楽業界の共通点について考え、「愛しているから、意味とか意義をちゃんと伝えたい」という、彼の熱い思いに感動するだろう。
文字起こし:sakuraさん
編集:Trudy
🟣剛さん
🟢澤柳さん(Syncs.Earth)
🔵廣田さん(Syncs.Earth)
🔴藤本さん(ZOZO)
🟠スタッフさん
テロップ/(補足)/(♩BGM)
Protect 地球に還せる和紙Tシャツ
🟣ぽんぱんぽ(こんばんは?)。始まりました、つよしP。今日は西多摩の山奥の奥に来ています。自然豊かな場所に来ましてですね、虫たちの声が聞こえてるわけですが。今回なぜこちらにお邪魔したかといいますと、今僕が着ています、こちら、 ZOZOさんとファッションコラボで作りました「和紙Tシャツ」なんですけど、この和紙Tシャツに関わりのある場所にきております。アイテムをつくっていただきました澤柳さんにもご登場願いたいと思います。お願いします。
🟢お願いしまーす。(和紙Tシャツを)作る過程で出た端切れだったり、たくさんの方に着ていただいて着古した和紙Tシャツを、地球に還す場所がこちらにあります。
🟣な、な、何だって?(棒読み)ってカンペ出てますけども。
(笑笑)
🟣さっそくご案内いただきたいと思います。
🟢行きましょう。
🟣お願いしまーす。
(つよしPオープニング映像)
___________________
(♩Lovey-Dovey)
🟣さあ来ました。ここ!あ~いいですね。地下足袋もいいな、これ。
🟢地下足袋めちゃくちゃいいですよね。
🟣いいっすね。土踏む感じとか。
🟣え~ここ?
🟢ここです。畑になります。
🟣ここが、地球にTシャツだったりを還せる場所。
🟢還せる場所です。
地球にTシャツを還す畑とは
どういうことなのか?
___________________
(ふりかえり・ZOZOさんの会議室)
2月某日
堂本剛×ZOZO初回打ち合わせ
🟣SDGsとかサステナブルっていうと、地球に配慮するとかっていう大きい話にもちろんなってはくるんですが。貢献したいけど出来ない人を、貢献させてあげれたらいいなっていうのが、僕の中に一つ大きくあります。
🟢土に還る服がありまして、誰にも知られずに捨てられていたものを、土葬する。
(剛さん、実際のTシャツに触れる)
🟢和紙100(%Tシャツ)ですね。
🟣全然。和紙なの?
🟢実は今日ですね、土に還した途中のやつを持ってきました。
🟣えっ
🟢分解途中のやつですね。畑から掘り起こしてきました。土に還る服があって、実際に還っているんだっていうことを、服を通して発信していってる。
🟠すごい。
🟣これ急にインスタに上げたらみんなビビるかな?メッセージとして。一瞬、ウォーキングデッド感もあるし。本当になんかわからへんけど、あ~服かぁ〜みたいな感じが。
一瞬 ウォーキングデッド感
___________________
(奥多摩の畑)
土に還すまでをデザインするSyncs.Earthの畑
🟢畑なんですが、きれいな畑というよりは、この生態系に近い中でやってる自然農法と呼ばれる方法の畑で。雑草とかもうまく活用しながら、その中に和紙のTシャツを分解していくということをここでやっています。
🟣なるほど。へ~。
🟣畑のスペシャリスト、廣田さん。よろしくお願いします。
🔵よろしくおねがいしまーす。
🟣どんな感じで畑の中で分解されているのかを、ちょっと見せていただいてもよろしいですか?
🔵はい、わかりました。
(♩LOVE VS.LOVE)
PROTECT
🟣おー、ここ!
🟢ちょっと普通の畑では見られないものが
🟣ありますね。
🟢畑の上に散らして
🟣散らして
🔵こういう葉っぱにももちろん着いてるですけど
🟣はい。
🔵植物の繊維を、分解してくれる生物がいるんですよ。それがいわゆる菌(菌類)、きのこの仲間。これ「はんぺん」って呼ばれてるんですけど。
🟣へー。はんぺんぽいからですか?
🔵はんぺんぽいですよね。
(剛さん、はんぺんと呼ばれるもののにおいを嗅いでみる)
🟣きのこっぽい匂いがする。へ~。菌自体はどこからくるんですか?
🔵森の中とか、山の中とかは、これ(はんぺん)がなくてもできるんですけど、速めてあげるというか。
🟣スピード。
🔵そうですね。
🔵これでみてもらうといいかもしれないですね。
(はんぺんを顕微鏡で見る)
🟣えー、これで?
🔵ピントを合わせてもらうと少し繊維ぽい感じの…
🟣(顕微鏡で覗くと)来た!
🔵細い繊維が。無数に…
🟣ある!
🔵それが菌糸です。
🟢この子が重要なんですよ。
🔵その菌糸が、植物のセルロースというものを分解する酵素を出していて、それがこの子たちを地球に還している。
🟣へー。
🔵分解されて、そのエネルギーが野菜になって
🟣我々のところまた来る。へー。
🔵実験場で、4月くらいに、Tシャツをまんま埋めたんですよ。
🟣まんま?
🟢触って、ほどいてみてください。結構ねちゃっとしてますが。
🟣ほんまや。
🟢これも素材としては、これも和紙素材ですね。やぶけちゃうというか、滑っとした感じが。土の中の水分があるから。
🟣トロトロの昆布(笑)
🟢5着くらい(Tシャツを)いれてたから。
🟣5着!
🟢分解ちょっとしたくらいのやつを、売ろうとしたんですよ
🟣なるほどね。菌のダメージ加工。かっこいいな。
🟢1週間だけで分解進んじゃったりするので、夏、暑くて水分量が多いと、気付いたらなくなっている…みたいな。
🟣どうせ捨てるのなら、っていうことですよね、なんかね。
🔵おっしゃるとおりです。
🟣こういうのを目の当たりにして、アクションに移せなくても、気持ちはすぐに変えれるし、自分が参加できる要素だけ参加していく人がいっぱい増えれば、結果これはもっと回っていくと思うんですよね。自分が出来ないことを誰かがやってくれて、誰かが出来ないことを自分がやればいい。そういう関係性で一つって概念があればいいのに、そうならないことが日本は多いなと思って。
🟢服の作りとかいっても。作る人達がいて、売る人達がいて、それを着る人達がいて。今まで捨てるところまで考えてられなかったんですけど。今、ここで一貫してやっているところの一つの循環ですよね。というのを、服を着た人がちょっと意識するだけで、服とかじゃないモノを捨てる時とかでも、あれこ?これって土還るかな?とか、捨てていいんだっけ?とか、そういった考えるきっかけに現場を見て、なってもらえればいいなと。
🟣それはね、ほんとに。やってらっしゃることは、音楽業界にも言えるし、これは。
堂本剛が思う
ものづくりへの向き合い方とは?
🟣ほんと音楽も簡単に聴けちゃうし。でも、こっちはすごいお金を掛けてるんですよ、時間と。簡単な状況で評価されるのって、どこかやっぱり合わない部分はあるんです。例えば服に命を懸けている人達が服を適当に着られて適当に捨てられると、当たり前ですけど悲しいじゃないですか。作り手っていうのは、面倒くさい事言ってるなあいつと思われても、「愛してるから意味とか意義をちゃんと伝えたい」というところで。
愛してるから、意味とか意義をちゃんと伝えたい。
🟣ライブとかもそうなんですけど「ライブを観に行く」っていう表現がこの数十年蔓延してるんですけど。音楽聴きに来てるんちゃうん?って思ったりするし、「観に行く」じゃなくて「参加する」ねんけどな。だから、服を着ることも参加することなんで。
服を着ることも 参加すること
🟢🔵そうですね。(うんうんと強く相槌)
🟣ただ着てるだけじゃないんですよ。どういうストーリーでこの服が誕生して、どういうストーリーで地球に還っていくかみたいなこととかを、理解できてると、服の在り方も変わるし、なんか一日一日が楽しいはずなんですけどね。
___________________
和紙Tシャツ完成に至るまでには様々なストーリーがあった
(ZOZOさんとの打ち合わせ)
🟣和紙の魅力を伝えるのに適したアイテムの方が、多分いいと思うんで、そこも踏まえてこういうアイテムもありかもみたいなのを…。意外と違うものがポンと出てくるかもしれないなっていうラインではあるかなと思って。和紙だったら例えば何をイメージされますか?
🔴靴下。
🟣靴下。はいはい。
🔴足の臭いが、消臭効果で臭わなかったり。
🟢靴下で、和紙は入っていないんですが、和紙を入れることは可能で。これ(見本の靴下)は、ストレートなので、自分の形に合わせて履けるんですね。
🔴前後がないってことですか?あーすごいいいですね、それ。
【和紙T完成へのストーリー】
和紙アイテムとして靴下の提案がされていた
🟢女性もはけるし、男性もはけるし。サイズフリーで結構いける。
🔴へー。
🟢(Tシャツの生地を見せながら)厚い方と薄い方。
🟣お家で過ごすことって、増えるじゃないですか?だからこそ、ご褒美じゃないんですけどね、お風呂入って寝るときに気持ちいいものを着たいっていう。だから肌さわりが良いのは大事。
【和紙T完成へのストーリー】
家での快適さを考慮した肌触りを追及
🟣すごく感じているのは、コロナ禍で距離とかが敏感になってるところなので、自分の大切な人にプレゼントして、自分も自分にプレゼントして、みたいな感じの、めちゃくちゃナチュラリズムなペアルックみたいなやつ。
🔴すごい自然なペアルック。
【和紙T完成へのストーリー】
大切な人と着て欲しいという想い
___________________
(奥多摩の畑)
🔵これを直球勝負で"地球に良い"とかじゃなくて、そこにはファッションの力だとか、ワクワク心躍らせるような体験から、その向こう側にエコな世界を体験していくこと。そんな風にしてこのプロジェクトが進んでいけばいいなと。
🟣この畑で、こういうことをやってらっしゃるから、今、男3人で、こんな真面目な話をするきっかけがここにあるわけじゃないですか。だからこういうきかっけが、ほんとに日本各地にあればこういう話をする人が増えるんですよね。そうすれば日本は変わっていくし、地球も変わっていく。
これ今Tシャツの話してるけど、僕らだっていずれ死ぬんですよね。死んだ時に土に還っていくんですよね。僕らは地球に還っていくという物語を生きてるわけじゃないですか。こういう服に対してもね、そういう想いをなんか持ちながら生きていくというのは結構普通の話なんですけど。
まぁこういう話をね、ややこしそうだなとか、難しい話しとんなっていう人もいると思うけど。でも僕は、そういう人たちを否定もしないし、そういう人たちが、あ、だったら参加してみようかな、と思えるように、もっと噛み砕いて伝えてあげれば、そういう優しさをこっちが持てば、みんな参加してくれるのかなと思うんですけどね。
堂本剛 和紙素材の循環に参加
(♩LOVE VS. LOVE)
🟢和紙Tのサンプルを作った時の裁断の端切れがやはり出てしまうんですね。これ、一緒に埋めませんか。
🟣あっ、埋めたい!
🟢今回生産する分の(和紙Tの)端切れも全て土(地球)に還して、野菜を育てていきます。
🟣わ~すごいなあ。循環させましょう。
🔵基本的に、埋めないで
🟣あまり埋めない。
🔵はい、一旦置いてもらって
🟣置いて、こんな感じでOKですか。
🟢OKですね。
🔵これ(はんぺん)
🟣これをランダムに。
🔵この上に、これ(枯れた草)が燃えやすいのでね。
🟢こういう藁みたいなものも、一緒に分解されて。
🟣へ~おもしろー。
(端切れとはんぺんの上に枯れ草をかぶせていく)
🟢雨がもうちょっと降ってほしいというのはありますね。
🟣ジョウロでこういうことじゃなくて、やっぱ雨。
🔵やっぱ雨欲しいですね。黒いマルチ(マルチシートのこと?)…
🟣ちょっと蒸すような。それで菌が活性化していって、どんどん還っていく。
___________________
🟣分解されたエネルギーをまた利用して育った野菜があるということなんで、それをちょっと見させていただいてもいいですか。
🟢行きましょう。
🟣よーし、行きましょう。
和紙の循環で育った野菜とは?
(♩美しき日)
🟢これレタスなんですよ。
🟣これ!?
🟢ちょっと育ちすぎちゃってて。
循環で育ったレタス
🔵育ち過ぎて、ちょっと苦いかもしれないな。
🟢食べます?
🟣いっただきまーす!
🟢ちょっと苦いですか。
🟣あっ。"美味しい苦さ"って言ったらあれやけど。
🟠もしよかったら(マヨネーズを渡す)
🟣なんで?
🔵絶対大事なやつ。
マヨ使う?
🟣なんでもマヨネーズ付けたらおいしいなるからな。(マヨネーズを付けて)うん、最高。
🔵これ、ひよこ豆。
🟣あーそうなんや。
🟢めちゃくちゃかわいくないですか。
🟣かわいい。
循環で育ったひよこ豆
🟢これバジル。
🟣バジル。
循環で育ったバジル
(バジルを食べてみる)
🟣あっ、ワイルド。
🔵めちゃくちゃ、すげー味が濃い。あ、これ大成功だ。ピザにしたらめちゃくちゃ美味しい。
🟣うん、美味しい。
循環で育ったラディッシュ
🔵この辺美味しいと思いますよ。
🟣え~。
🟢ちょっと水洗いしましょうか。
🟣(試食)いきますよ。あ、おいしい。おいしい。
🟣ちっちゃい家庭農園があって、そこに肥料として、着てた服がどんどん入っていくという。これができたらすごい幸せかも。勉強とか教育とかじゃない学びで入ってくるから、なんか楽しいだろうな、これが家に実現すると。
🔵着る人と食べる人がいれば、これどこでも出来るんですよ。世界で。
🟣世界でできる。
🟣農園やりたい人、あるいはファッションの仕事にかかわりたい人、結構いると思うんですよ。でも、なんか難しそうでわかんないから、っていうので、目先にあるようなものを選択して生活してる人もいると思うし。それ一回やっちゃうと抜けれないでしょ、そのラインからは。これはでも、そのラインから抜けなくても、やり方教えてもらったら、家で趣味でギター、趣味程度でやってるのと一緒で、なんかできちゃう感じがするなって。
ベタな感想ですけど「生きてるなぁ〜」って感じますね、こういう時間を過ごすとね。ライブやってる時も思うのよ。あー、生きてんな。生きてて良かったって。やっぱりこれだけ生きたくても生きれない人が世の中にたくさんいるので、そういう人たちのことも考えると、なおさら、生きてる喜びというのを体感して、その喜びを伝えるっていう行為は、いっぱいした方がいいかなと思うよね。また来て、収穫して、食べて。
🔵今日みたいに暑くないと思うんで(笑)
🟣今日は言っておきますけど、激渋な暑さです!
最高気温35.2度!!
🟣そんな中でも、さらに熱い話をしちゃってるくらい、なんかどうでもよくなるくらい、本当に解放された時間を過ごさせもらいました。ありがとうございました。
また来週!
堂本剛さんのブランド「ENDRECHERI×ZOZO」の土に還る和紙Tシャツ@syncs.earth でその土に還る背景を担当させてもらいました。
私自身このブランドのプロジェクトに関わり、デザインをさせてもらい、ここ最近でこんなにもクリエイティブに触れた機会はなかったかも。
剛さんは服やプロダクト、クリエイティブ(創造物)を作る時、本当にその背景やストーリーを大切にする方で、それは剛さん自身の生き方やそれを取り巻く環境、さらには社会の状況、人間の心に至るまで凝縮したストーリー=物語を1つの’もの’に込めます。
服を一緒に作っていくにあたっては、まるで大きな空間を作っていく様な、そんな感覚でクリエイティブを楽しんで企画を進めてきました。