TUKUFUNK
作曲:堂本剛
堂本剛 - Total Arrangement, Guitar
shamanippon - Arrangement
屋敷豪太 - Drums
KenKen - Bass
名越由貴夫 - Guitar
竹内朋康 - Guitar
十川ともじ - Keyboards
SWING-O a.k.a.45 - Keyboards
スティーヴエトウ - Percussion
レナード衛藤 - Taiko
Luis Valle - Trumpet
SASUKE - Trombone
かわ島崇文 - Sax
●アルバム「shamanippon -ラカチノトヒ-」通常盤 堂本剛 2012.04.11
●DVD/Blu-ray「平安神宮公演2011 平安結祈 heianyuki」Disc1
●DVD/Blu-ray「shamanippon-ラカチノトヒ-」初/通-Disc1
●DVD/Blu-ray「平安神宮ライブ2012 ヒトツ」
●DVD/Blu-ray「平安神宮ライブ2013 HEIAN FUNK」
●DVD/Blu-ray「祈望 平安神宮 奉納演奏史 2014-2019」Disc3
🔷堂本剛とFashion & Music Book #144 2012.5.5
このTUKUFUNK。「ツク」というのは「月」という意味ですけれども、実際鳴らしてみて、月夜というか月のイメージがあったんで「TUKUFUNK」っていうタイトルにしたんですけれども。「shamanippon」の自分の中のモチーフなんですよね。太陽もモチーフにしたいんですけど、太陽よりも月っていうキーワードがすごく僕の中にあったんです。なんでかわかんないです。
でも、「shamanippon」っていうものを想像した時に「月」だったんですよね。振り返ってゆくと、月明かりとか光の中にあるサウンド。今は電気のこと話すような時代になりましたけれども、昔の人々は月明かりの中で、物事を捉えながら生活していた人も多いじゃないですか。実際、僕が奈良に帰って夜道を歩く時に、月明かりをたよりに歩くんですよね、暗いところは。ふと神社の鳥居とかくぐって夜道を歩きますと、木々の間を月明かりが抜けて入ってくるんですよ。それを頼りに歩いていくんですけど。
東京に住んでいると明るすぎますから、真っ暗なのが怖いっていうふうに思う人も多いですけど、実際慣れると月明かりも明るいもんで、なにか良いな、と。僕たちが見失いかけたもの、忘れかけているものって、月明かりもキーワードだっていうふうに思ったっていうのがあって、太陽より月を優先したイメージ#ballad 「shamanippon」にはあったんですよ。
太陽というにはどうしても皆が暖かいものであるっていうふうに、見失うことがむずかしいものかもしれないな、と。ただ月ってなんで光ってるのか言うたら、太陽の光を浴びて月っていうものを僕たちは見れるんですね。そういうところも含めて、なにか見えるようで見えないとか、見えないものの中に本当のものが見える力とか、僕たちは取り戻さないと行けないんじゃないかと。
霊力じゃなくて想像力ね。想像力でこの中には自分には見える、それを信じる力だ、という。そういう気持ちを取り戻さなくてはいけないよな、月から教えてもらったんだろうな、月明かりから教えてもらったんだろうな、っていうエピソードが僕の中にはあるんですよ。
だから、「くにのうた」(♩shamanippon〜くにのうた)っていうのは、太陽のイメージがすごく強くて作ってはいるんですけれども、でも、太陽と月の関係性が深くて、太陽を意識すれば月を意識するっていう意味で、「くにのうた」も作っています。だから「ツクヒ」って言葉を入れながら、月と太陽。月が前に来てるんですけれど、月と太陽で「shamanippon」っていうふうに「くにのうた」を詩っているんです。
この「TUKUFUNK」っていうのは、原点っていうか、なんか「月」っていうテーマで音を鳴らしてたんだろうなぁって思うんですよね。少し雅楽のようなフレーズだったり。自分が弾いてるギターのフレーズを和っぽい雰囲気で思うがままに弾いてるんですけれども。東京タワーの近くのスタジオで録ったんですけど、「せーの」でやったんで、誰がなにするか全然決めてないです。
一回、平安神宮のライブでやったんですけど、そのときには「TUKUFUNK」ってタイトルが付いてたものじゃなくて。その時に生まれたセッションなんですよ。平安神宮でやったとき。「あのときのセッション、超かっこよかったね」みたいな話をして、「たぶんこんな感じじゃなかったっけ?」言いながらやったんですけれども。そしたら皆、なんでしょう、本当に「くに」なんだな、と。信頼関係と安心感があるから出せる音だなと思ったし。常日頃から僕の話、皆聞いてくれてるんで、祈りとか想い、日本人に、みたいなもの、この音に皆が込めてくれてんだろうな、というふうに思うんですね。そんな貴重なセッションでございます。
アルバム『shamanippon-ラカチノトヒ-』の通常盤(ふつうよし盤)のみに収録のインスト。ディジュリドゥや三味線のような民俗的なフレーズを取り入れたファンキーなアレンジで、そこはかとなく“和”を感じさせるサウンド展開をみせる。