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シンジルとウラギル

作詩:堂本剛(歌詩
作曲:堂本剛


堂本剛 - Sound Produce
佐々木潤 - Arrangement & Programming
SOKUSAI - Bass
山口隆志 - Guitar
Gakushi - Keyboards


Mixed by 大西慶明

Mastered by Ted Jensen (Sterling Sound, NYC)

デジタル配信中

●アルバム「HYBRID FUNKOriginal Edition ENDRECHERI 2018.05.02

​●DVD/Blu-ray「ENDRECHERI TSUYOSHI DOMOTO LIVE TOUR 2018」初/通-Disc1

​♩別バージョンシンジルとウラギル〜Acoustic Piano Arrangement

アルバムSuper funk market2023.8.26

🎹「ソングス・マガジン」vol.13 ピアノスコア掲載

日経エンタテインメント 2018.06月号

死生観が投影された言葉とメロディーは、まさに"涙奏"。アレンジを担当した佐々木潤は「最初はオーソドックスなバラードかと思ってたけど、それだと面白くないので、テンションコードを入れて、R&Bとジャズのアプローチにした」と語る。冒険と王道、2つのアレンジがある時、剛は必ず"冒険"を選ぶそう。

 

堂本剛とFashion & Music Book 2018.06.16

自分に対して自問自答することが多くなったんですよ。入院した日から。自分に問いかけて自分で答える、みたいなことが本当に増えて。自分を「信じること」とか「裏切ること」を含めて、色々やってみたりして。信じたけどうまくいかへんかったり。

この曲はもともと、自分の自問自答…そういう曲ではあるけれど、世の中に、「信じる」と「裏切る」がたくさんあって、その二人が手をとって踊っている中で、自分自身を見失っていくことへの恐怖、それと表裏一体なところで、それが美しくて見とれてしまうような感じ。そういう危うい心理状態でいる主人公を作って、作品に落とし込んだものなんです。

堂本剛とFashion & Music Book 2018.4.21

僕が大事にしているっていう曲「シンジルとウラギル」という曲を書いたんです。これは自分自身が若かりし頃、もう死にたいと思って生きてた時期がありますから。意外と皆なんかそういうのって隠すのかもしれないですけど、僕は思って生きてた時代があるんで、あるんですけどって話はしますが、本当にそういう時があって、今もやっぱり自分の周りにも、そう思って生きてる人もいるんですよ、いっぱい。あと、急にご家族亡くされた方だったり、色んな方がいるんですよ。で、なんかこう自分のその奥深くにある悲しみとか傷つけられたりとか、いじめられたりとかしてできた傷って、正直やっぱ癒えないんですね。だから、その傷をもう一度見つめなおす強さみたいなもの、それを書こうっていう感じになったんだと思うんです。

 

それで、「シンジルとウラギル」というのは、信じるっていうことと裏切るということ。で、その信じるっていう生命体と裏切るっていう生命体みたいな。その信じると裏切るが手を取って、踊る今日っていう。なんかそれに見とれながら色々なことを思うっていう。

一行目が「死」そして魅力の「魅」で「死を魅そう」っていう。♩死魅そう〜っていうところから始まるんです。「死を魅そう」、魅力の「魅」。そういうことが他人事と思ってたけど、死魅そうって、そういうような「あー、死にたいわ」とか冗談で言う人とかいっぱいいるんやけど、なんかそういうのって、「死にたいと言ってる人がいる。大丈夫?あいつ頭おかしいな」って片づけてた自分。それが、今、自分がそうなってるやん、みたいな。他人事と思ってたけど、もうなんか死んでしまいたいねんけどって。そういう時の自分をほじくり返して書いた曲なんですよ。

信じることを優先して生きたら、また裏切られたりとかね。もう信じると裏切るが、手を取って踊ってる毎日だったんですよ。なんか世の中っていうか僕の環境が。で、もういいよもういいよって「水をくべてしまう」っていう詩を書いたけど、その本来は水はくべるものではないけど、火とか、たき火とかで火をくべるねんけど、もう涙がこぼれてしまって、涙が止まらなくて、水をくべてしまうっていう。

でなんか、四季折々の花だったり、色んなものが咲き乱れるけれども、この傷の色は、その花を見たからと言って、癒えるわけではなくて、傷の色の方が花の色彩よりも勝っていくっていう。あの日の自分にもう一度会いたいって言うねんけど、とかなんかそういう色んな想いを込めて。この「シンジルとウラギル」は、ホントに僕の根の奥の奥の深いところに、あの日傷つけられた自分をもう一度呼び戻して書きました。

そうでもしないと、色んな知人とかさ、色んな人が死にたいってヘルプの連絡が来るような、そんな状況の人達を救ってあげることが出来ない。直接的に救ってあげることが出来ればいいけれども、限界があるじゃないですか僕も。なんか出来ひんかなと思って曲を書こうと思って。世の中生きてて、やっぱりもう死にたいと思って生きてる人、沢山いるだろうから、たまたまラジオでもいい、ホントたまたま僕の曲聴いて、もう一度生きようと思ってくれたりとか。生きるってことはとても儚なくて悲しくて苦しいことやけど、でもやっぱり生きようみたいなことを思わせてあげられるように、心に寄り添ってあげられるような曲書きたいなと思って、それで「シンジルとウラギル」って曲を書きました。

この曲を一緒に作ったミュージシャンとのエピソードもとても儚く切ないものがありました。この人達と作って良かったなという一曲にもなりましたし、本当に皆、多くの悲しみを背負いながら、今日も生きてるんだなーとか思ったりしながら。

「自分」っていうものはやっぱり一度しかないから、ピントが合わないこともそりゃある。でもたぶん一番は、自分の声をちゃんと聞いてあげるっていうことを、一生懸命してあげて欲しい。他の人のことばかり、第三者の人のいうことを気にしてても、ホンマしょうもないから。第三者の人が言ってるだけやから。自分が言ってることじゃないから。自分が言ってることを聞かなあかんから、自分は。一番聞かなあかんのは、人の意見ではなくて自分の意見やから。人に自分を教えてもらうってことももちろんあるけど、でもやっぱり自分っていうものの声を聞かないっていうことは本当に自分に対して失礼やから。

だから、夜眠る前に目を閉じて、自分の好きな色とか、自分の好きな場所とか、自分の好きな人とか、そういうのを自分に問いかけてみて、眠る前に毎日のようにやってって見るってだけで全然変わってくると思う。それをノートに書き留めたり、スマホのメモ帳に入れるでもいいから、そんな風にしてたら、自分ってこういう世界を求めてるんだなっていうのが、また見えてくるから。で、そういう世界を目指して歩き始めたら、同じ世界を目指して歩いている人と途中で道端でバッタリ出会うから。そうなってきたら、どんどんどんどん自分っていうものが可愛く思えてきて、他人にもピントが合うし、自分にもピントが合うしっていう風に絶対になってくるから。まずは自分の声を聞いてあげて欲しいな、なんていう風に思って。

そして、今、ラジオ聞いてくださっている数々の人の中には、自分の「いのち」についてとてもナーバスに考えている人もいるかもしれない。そんな人の胸の奥深くに届くひとしずくの愛のようなもの、そういうものを込めて作った曲ですので、是非聞いてください。

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