命のことづけ
作詩/作曲: 堂本剛
●DVD/Blu-ray「平安神宮ライブ 2012 ヒトツ」2014.01.15
●DVD/Blu-ray「平安神宮 奉納演奏 二〇二〇」2021.10.13
🔷Fashion & Music Book 2012.10.06 つよしんぐわーるど
shamanippon ship のアンコールのセッション、ジャムセッションで作った曲というのがあって、何曲もある中の2曲(命のことづけ・ヒトツ)を抜粋して、平安神宮(平安神宮ライブ2012)用に書き換えたんです。
「タイトルは、仮タイトルなんで変わる可能性はありますが、「命のことづけ」というタイトルにして。
夜空を見上げながら、なんていうのかな…、僕たちはひとつになれないんだろうか、とか、なぜもう少し優しく生きられないんだろうか、とか、そういう想いを、夜空に託すっていうんですが。
夜空を見上げながら、主人公がそういう気持ちで空を見上げていて、なんかこう胸が痛い・張り裂けそう、とかいうことを呟くと、瞬く星たちがざわめき、世界っていうのはひとつになれない、「悲しみ」の手を取って踊る夜空を、必ず信じてみせる、必ず超えてみせるよ、っていう。そういう主人公の決意表明っていうんですか、そういうようなところから始まって。
僕の船、自分が乗っている船っていうのは、儚く、青い、地球。その地球の窓からのぞく、ほかの船にはぐれて、ほかの浮かぶ惑星にはぐれて、季節外れのゆきのようにか弱く、「悲しみ」の手を取って回るキミへ、キミを必ず信じて、僕はキミを幸せにしてみせるよ、っていうようなことだったり。
「命のことづけ」というタイトルをつけたのは、傷つけ合うというっていうその心を忘れるために、誰かが託したかけらで、楽器を鳴らして、争うことが止まない雨だとしても、その誰かが託した「愛」っていうものを、いま僕は鳴らすんだ、必ず信じてみせる、必ず命の虹を、っていう話をして。
最後の「かなわず」っていうのは「必ず」の韻をふんでるようなものなんですけど、かなわず砕けた想い、かなわず昇った想い。「愛」というものを目指した人たちっていうのが過去にもいっぱいいるんですよね。ヒトツになれなかった人と、なれた人もいると想うんですけど。命というものは消えていくものですから、そういう、なれなかった人々の、そういった想いがかなわず砕けたり昇っていったそういった想いというものを、必ず、かけてみせる、と。虹っていうものを、僕は必ず、必ず、かけてみせる、命のことづけを、っていう。託されたものを、今生きている僕っていうもの、僕たちっていうものが、必ず未来に命の虹っていうものを駆けなきゃいけないっていう、そういうようなことを唄っている曲です。
🔷音楽文 - 堂本剛・平安神宮奉納演奏に込めた祈り – 人類は争うことをやめられるだろうか (遊子) より引用
最後の歌唱曲では、そんな人間を超越した存在であるかのような佇まいは消え、一人の人間「堂本剛」として、静かに、だけれど力強く決意を込めるかのように「命のことづけ」を丁寧に歌い上げる。
世界はひとつになれないと歌いながらも、そんな中、音楽を鳴らす事で、虹をかけるよと空へ向かって歌う。
傷つけあう 心を忘れるために 誰かが託した 欠片を楽器で鳴らすよ
争うことが 止まない雨だとしても 誰かが託した 愛をいま鳴らすよ
必ず 信じてみせるよ 必ず 命の虹を
叶わず 砕けた想いを 叶わず 昇った想いを
必ず かけてみせるよ 必ず 命の虹を
必ず 命の虹を 必ず 命のことづけを
(命のことづけ)
その想いに呼応するように、再び現れた水柱は天高く伸び、「虹」という単語が出てきた瞬間、瞬く間に虹色に変わる。
六角形のステージの一辺一辺に14本の水柱がそれぞれ配置されていたのは、この虹色のグラデーションの為だろうか、と思う。
虹色の水柱に合わせて、平安神宮の空も虹色にライティングされる。
上空から映し出されるその光景は、もはやテーマパークのようでもあり、美しい堂本剛の歌声に心奪われながらも、豪華さに圧倒され、そのステージのあまりのかっこよさに笑いさえこみあげてきてしまうほどだった。