埃
作詩:堂本剛(歌詩)
作曲:堂本剛
堂本剛 - Total Arrangement
shamanippon - Arrangement
屋敷豪太 - Drums
KenKen - Bass
SWING-O a.k.a. 45 - Acoustic Piano
●アルバム「shamanippon -ラカチノトヒ-」初回盤A 堂本剛 2012.04.11
▶ “凄く凄く空は大きいから、気持ちが救われたり、癒やされたり、もう一度正したりすることが出来た。僕は空に凄く感謝しているんです。その空に対して、君がもしもいなかったら…って思いながら書いた曲です。”
▶ 堂本剛とFashion & Music Book 2013.04.13(つよしんぐわーるど)
使ったものをすぐ捨てたり焼却したりするリサイクルのしかたってあるじゃないですか。でも、昔って、受け継いでいくということがあって。僕は生まれが奈良。仏像とか寺社仏閣とかの修復の際に、そこに積もっている埃とか塵までも、具材に詰めながら修復していったり、未来に受け継いでいくっていう、そういう精神があるっていうのを聞いたことがあって。すごく美しいなと思ったんですね。
部屋の中でも埃ってものが床とかに落ちますけど、大体が人の皮膚のカスだったり生きた証だったり。そういう考えが何かいろいろ結びついて(「誇り」ではなく)「埃」という、漢字を使った曲を作ったんです。
34歳になって、今まで蓄積されてきた自分の体内の中にある「愛の埃」っていうものが、ダジャレじゃないですけど、今、「誇らしげに感じるな」って。「いろんなことがあったけど、今日はなんて美しい日なんだ」とか、そういう思いや感謝。奈良に広がる大きな空というものを想像して作った曲です。
▶ 堂本剛とFashion & Music Book 2020.08.08
人間だれしも、自分が歩いてきた人生というものを、悔やむ部分とかってあると思うんです。僕自身も、こんな風に仕事してるって思ってもなかったし。
自分の心の色を失いたくないなと思いながら生きていると、自分らしくない時間、苦しい・悲しい・辛い・寂しいっていう時間を一杯過ごしてきてるんで。自分の心の色がなくなりかけてすごく辛いときもあって。でも、そういうものを取り戻したりしながら、今に至って。沢山の人に支えてもらって、助けてもらって、生きてるなって思うんですね。辛かったなと思う人生でもあったんだけれど、沢山の人が助けてくれたっていう人生でもあったというのは、やっぱり、素直に心で思えるし。
そしてそこに対して、ありがとうという気持ち、感謝の気持ちというものを、空に向かって放ったりしながら生きてきたんですよね。だから「空」というものがあったから、寂しい時・悲しい時とかもそうですけど、応援してくれる人たちにどれだけ僕のこの気持伝わってるのかなぁとか、伝わっていないんだろうなぁとか、苦しいなぁとか思いながら、空を見てたこともいっぱいあって。今はもう会えない人とかにもそうだし。
「空」っていうものが、僕にとって、いろんな人と繋がれるひとつの空間だったんですよね。だから、とっても苦しいなぁと思って過ごしてる中で、空を通じて、いろんな人たちと繋がって。その人に届かないかもしれない・届いていないかもしれないけれども、「ありがとう」って伝えることだったり、自分をここまで連れてきてくれたすべての人たち・すべてのもの・すべての時間に対して、「ありがとう」って空に向かって放つ、みたいなこと、そういうようなことをして、自分の悲しかったこと・苦しかったことだけに集中して時間を過ごすよりかは、それと同時に幸せなこともあったなって、そこに対してピント合わせて空を見上げる感じっていうか、自分が今まで積み重ねてきた一秒一秒というものを大切に生きていこうって、そっと祈る感じもあれば、願う感じもあるというか。そんな感じで書いた曲なんです。